正月

鏡餅の飾り物一覧|橙・串柿・紙垂・四方紅の意味と由来

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お正月に飾る鏡餅。橙(だいだい)や串柿(くしかき)、紙垂(しで)、四方紅(しほうべに)など、飾りにはそれぞれの意味と願いが込められています。

けれど、「なんとなく毎年飾っているけど、どんな意味があるのか知らない」という人も多いのではないでしょうか。

鏡餅の飾りは、年神様を迎えるための清めのしるしであり、家族の繁栄を祈る大切な象徴です。

この記事では、それぞれの飾りの意味や由来、地域ごとの違い、そして現代のアレンジ方法まで詳しく紹介します。

鏡餅の飾り物とは?基本の構成を知ろう

鏡餅を飾るときに欠かせないのが、さまざまな飾り物。

橙(だいだい)や四方紅(しほうべに)、紙垂(しで)、串柿(くしかき)など、それぞれに意味や役割があります。

鏡餅は単なるお正月の飾りではなく、年神様を迎えるための神聖な供え物。

その飾り一つひとつに、「清め」「感謝」「繁栄」などの願いが込められています。

ここでは、鏡餅を形づくる基本的な飾り物と、それらが持つ意味を見ていきましょう。

鏡餅を飾る意味と飾りの役割

鏡餅を飾る最大の目的は、年神様を家にお迎えし、その加護をいただくことです。

そのために添えられる飾り物には、神様が降り立つ清らかな場所を整えるという役割があります。

赤や白の色には「魔除け」と「神聖」を意味する対の力があり、橙や串柿は豊作や子孫繁栄を象徴します。

つまり鏡餅の飾りは、神様に感謝を伝えながら、新しい一年の幸福を祈る“言葉のない祈り”なのです。

鏡餅の基本セット

伝統的な鏡餅には、主に四つの飾りが使われます。

橙は「代々(だいだい)」の繁栄、四方紅は災いを防ぐ赤い縁取りの紙、紙垂(しで)は神聖さと清め、串柿は実りの象徴です。

地域によっては海老や昆布、裏白(うらじろ)などを添えることもあり、これらもまた長寿や繁栄を願う縁起物。

飾り方は多少異なりますが、「神様への感謝」と「福を呼び込む願い」という共通の想いがすべてに込められています。

飾りが生まれた背景と文化的意味

鏡餅に飾りを添える風習は、古代の神事に由来します。

かつて神様を迎える祭壇には、餅や果物、海の幸、山の幸などが供えられました。

それが時代を経て簡略化され、家庭で飾れる形に変化したのが現在の鏡餅です。

飾りはただの装飾ではなく、自然の恵みへの感謝を表すもの。

四季の実りや生命力を神様に捧げることで、「一年を無事に過ごせますように」という祈りを形にしてきたのです。

橙・串柿・紙垂・四方紅の意味と由来

鏡餅に添えられる飾りには、それぞれに深い意味と歴史があります。

どれも長い年月の中で受け継がれてきたもので、年神様を迎えるために欠かせないものばかり。

ここでは代表的な4つ

橙(だいだい)、串柿(くしかき)、紙垂(しで)、四方紅(しほうべに)

について、その由来や込められた願いを詳しく見ていきましょう。

橙|家の繁栄と子孫繁栄を願う果実

鏡餅の上に乗せる橙は、お正月飾りの中でも最も象徴的な存在です。

「代々(だいだい)」という言葉に通じ、家が代々続くようにとの願いが込められています。

実際、橙の木は熟しても落ちず、翌年も枝に残ることから「家運が続く」「繁栄が途切れない」とされてきました。

生の橙を飾る場合は重みで餅が沈まないよう注意し、中央に安定して置くのがポイント。

最近ではプラスチック製の橙も多く、扱いやすく長持ちすることから人気です。

串柿|実りの象徴と五穀豊穣の祈り

柿は古くから「喜び(よろこび)」に通じる縁起の良い果実とされてきました。

鏡餅の飾りでは、干し柿を5個または7個、竹の串に通して飾ります。

これは「五穀豊穣」や「家族円満」を願う意味を持ち、数にも意味があるとされています。

たとえば「五」は「五穀」や「五福」、そして「七」は「七福神」などの幸福を象徴する数字。

串柿は実りの喜びを神様に捧げる飾りであり、自然の恵みを感謝する日本人の心を今に伝えています。

紙垂・四方紅|神聖さと災い除けを表す清めの飾り

紙垂(しで)は神社のしめ縄などにも使われる白い紙の飾りで、雷の形をかたどったとも言われています。

その形には「邪気を払う」「神聖な空間を示す」という意味があります。

また、鏡餅の下に敷かれる四方紅(しほうべに)は、白い紙の四辺を赤く縁取ったもの。

赤は魔除け、白は清浄を表し、年神様を迎える場を清める役割を果たします。

どちらも神聖さを示す大切な飾りであり、鏡餅を通して家の中を清らかに整える意味が込められています。

地域ごとに異なる鏡餅の飾り方と伝統

鏡餅の飾り方や添えるものは、地域によって少しずつ違いがあります。

基本の構成は全国共通でも、土地の風土や信仰、農作物の違いによって、独自の飾りや習慣が生まれてきました。

たとえば関東と関西では飾る期間や材料も異なり、その地域ならではの意味が受け継がれています。

ここでは、日本各地に伝わる鏡餅の飾り文化を紹介します。

関東と関西で異なる飾り文化

関東では、鏡餅を神棚やリビングなどの高い場所に飾り、1月7日までを「松の内」として飾るのが一般的です。

一方、関西では床の間に飾る家庭も多く、飾る期間も1月15日までと少し長め。

餅の形にも違いがあり、関東は丸餅、関西は平たい丸餅(関西では「ひらもち」とも呼ばれます)が使われます。

飾りに関しても、関東では四方紅を重視し、関西では昆布や海老など“福を呼ぶ食材”を添えるのが特徴です。

地方に伝わる独自の飾り物

地方によっては、鏡餅に特有の飾り物を加える風習があります。

たとえば、北海道や東北地方では「昆布」を添えて“よろこぶ”の語呂合わせにし、九州地方では「海老」や「伊達巻」を並べて長寿と繁栄を祈ります。

北陸地方では「裏白(うらじろ)」の葉を下に敷くことが多く、これは「夫婦円満」「代々続く繁栄」の象徴です。

こうした地域の違いは、自然や食文化、信仰の形が反映された日本の豊かな伝統そのものです。

現代に受け継がれる鏡餅の地域行事

各地では、鏡餅にまつわる伝統行事も残っています。

代表的なのは「鏡開き」で、関東では1月11日、関西では15日に行われることが多いです。

ほかにも、どんど焼きや左義長(さぎちょう)といった行事で、正月飾りと一緒にお焚き上げをして感謝を伝える地域もあります。

こうした行事は、年神様へのお礼を込めて飾りを清める大切な儀式。鏡餅を通して、地域の人々のつながりや信仰が今も息づいているのです。

現代の鏡餅アレンジ|おしゃれに飾る新しい形

昔ながらの鏡餅も素敵ですが、最近はインテリアになじむデザインや手作りアレンジを楽しむ人も増えています。

伝統を大切にしながらも、現代の暮らしに合った鏡餅の飾り方を工夫することで、お正月をより心地よく迎えることができます。

ここでは、ナチュラル系やモダン系など、今の時代に合う飾り方のアイデアを紹介します。

ナチュラル素材やモダンデザインの鏡餅

木製や陶器、ガラス素材の鏡餅など、自然素材を使ったアイテムが人気です。

木のぬくもりを感じるナチュラルデザインは、北欧風インテリアとの相性も抜群。

シンプルながら存在感があり、玄関やリビングにも飾りやすいのが特徴です。

陶器製の鏡餅は清潔感があり、白と金の組み合わせで上品にまとまります。

モダンなデザインを選ぶことで、「伝統を重んじつつ、自分らしさを大切にする」スタイルが楽しめます。

100均や手作りアイテムを使った飾り方

最近は100円ショップでも、お正月飾りや鏡餅の小物が手に入るようになりました。

ミニサイズの橙や紙垂、四方紅などを組み合わせて、自分好みにアレンジするのもおすすめです。

お子さんと一緒に紙粘土で鏡餅を作るなど、手作りを通して日本の伝統に触れるのも素敵な体験。

ポイントは“清潔で明るい空間に丁寧に飾る”こと。素材や価格に関係なく、気持ちを込めて飾れば、立派な鏡餅になります。

シンプルでも縁起を感じる飾りの工夫

「飾りが多いと部屋に合わない…」という人には、シンプルな鏡餅がおすすめです。

白いお皿に丸餅を二つ重ね、橙の代わりに小さなみかんを乗せるだけでも十分。

赤や金のリボンを添えると、華やかさが加わります。

また、和紙を使った敷き紙を敷くだけでぐっと雰囲気が変わるので、インテリアとしても楽しめます。

大切なのは、どんなスタイルでも“年神様を思う気持ち”を忘れないことです。

さいごに

鏡餅の飾り物には、ひとつひとつに深い意味と願いが込められています。

橙には家の繁栄、串柿には実りと喜び、紙垂や四方紅には清めと守護の力──どれも「新しい一年を幸せに過ごせますように」という祈りの形です。

こうした意味を知ることで、毎年の飾りつけがぐっと特別な時間になります。

また、伝統を大切にしながらも、現代の暮らしに合わせて飾りを工夫するのも素敵なこと。

心を込めて鏡餅を飾ることが、年神様を迎え、家族の絆や感謝の気持ちを再確認するきっかけになります。

新しい一年が、笑顔と幸せに満ちた日々となりますように。

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